東京高等裁判所 昭和38年(ツ)129号 判決
民事訴訟法第三一六条に定める、当事者が裁判所の文書提出命令に従わなかつた場合の効果は、当該文書の性質、内容についての相手方の主張を真実と認めること、すなわち本件について言えばその文書が山際富夫振出にかかる額面一〇万円の約束手形であることを裁判所が認めることができるというにとどまる。それ以上その文書によつて立証しようとするその他の事実まで真実と認めることができるわけではない。そして原判決が、みぎ文書が上告人の主張するとおりの内容の約束手形であることおよびこの手形が前示のとおりの経過で山際に返還されたことを認めていることは明らかで、原判決には所論のごとき違法はない。
(岸上 室伏 斉藤)